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[SF小説] 「復活の地」 by 小川一水 [その他::趣味::本]

今日は、阪神淡路大震災が発生した日ですね。私はそのときはまだ学生で東京都内に住んでましたが、深夜のバイトを終えて朝に帰宅し、テレビをつけて初めて知りました。最初は火事かと思ったら、まったくそうでなく、地震だったという感じでした。

今回はときどき出てくる趣味の本の紹介の記事ですが[あせあせ(飛び散る汗)]、災害関連のものになります。
単に都市が被災するというものではなく、その後の復興をテーマにしたものです。
今回もお付き合いいただければ幸いです...
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今回紹介する小説は、小川一水 著の 「復活の地」です。[ぴかぴか(新しい)]
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これは十数年前に書かれたものです。
ちなみに、アニメ化や映画化は無く、マンガ版はありましたが途中で打ち切られてます。[たらーっ(汗)]
韓国語版もあるそうです。

内容的には、いちおうSFで、一言で言えば「地震災害からの復興」ものです。[ひらめき]
と言ってしまえば簡単なのですが、復興について、いろいろな対立や謀略みたいなものも出てきます。

舞台としては、今の地球よりも少し科学が発展している惑星になります。
設定として、元々、地球を中心として宇宙へ殖民していき人類の活動域を広げ文明を発展させていったのですが、数百年前の不幸な経緯により地球も高度な技術も失われ、星系国家間でのいざこざも発生しているような設定です。[るんるん]
なお、高度な技術を何らかの手段で「再発見」し、他の星系国家より先んじている列強諸国と、そうではない辺境の星系国家があり、本作の舞台は後者になります。

小説は、まずはその舞台となった惑星の「レンカ帝国」の首都トレンカに大地震が発生したところから始まります。
首都が壊滅し、政府や議会の要人はほぼ全滅、帝国皇族も一人の女性(主人公の一人でヒロインですな)しか生存せず(遠隔地にいたため)、大混乱な状況となります。
もう一人主人公がいて、有能な実務官僚の男性で、震災発生後の対応についていろいろと奔走します。味方がいない状況でも、ドライな対応も含めて、混乱を収拾していきます。結果として、天軍(いわゆる宇宙軍)と首都の都庁、民間のボランティア団体などが支援する形になりますね。[グッド(上向き矢印)]

一方、対立する勢力として、数少ない政治家の生き残り(野望も持っている)や陸軍が、いやらしい手段も含めて主人公たちを排斥しようとします。ただ、方向や手段は違えど、国を復興しよう・守ろうという意識は同様なのですけどね。[ダッシュ(走り出すさま)]

あと、第三者的に、同じ惑星内にある他の国家、他の星系列強国家なども関連します。

余震の発生もあり、その中で主人公たちも余震の被害にあったりもします。その後、男性の主人公がすべての権限を剥奪されます...[ふらふら]
そして、震災が一回だけではなく、もう一回[exclamation]あり、しかもその原因は自然災害ではなかったというのが本作の後半の内容になります。
いろいろな権力も無くなった主人公たちが、それでも二度目は一度目のようにならないために、支援してくれたさまざまな方面に草の根的な協力を要請する形で対策を進めます。

二度目の震災の発生後、対立勢力の瓦解、他の星系列強国家との関係向上など、最後には大団円的な終わり方をしますが、途中のスピード感やハラハラ感はかなりありましたね。[わーい(嬉しい顔)]
映画やアニメなどの映像化は、小説でのハラハラ感を伝えるにはちょっと難しい感じもしますので、難しいようには感じます...
でも、とても面白かったです。[グッド(上向き矢印)]

ちなみに、二人の主人公のロマンスは微妙に描かれるのですが、それの発展はありません。その周辺ではありますが。[あせあせ(飛び散る汗)]
あと、震災の原因が自然のものではないことについては、ネタバレになりますので、「数百年前の不幸な経緯による地球や高度な技術の喪失」が間接的に関係した、とだけ書いておきます。





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