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[漫画] 太陽の黙示録 by かわぐちかいじ [その他::趣味::本]

今日は、2011年に東日本大震災が発生した日ですね。
ちなみに、そのときは、私は所用で電車で新宿に向かっていました。新宿駅について、電車を降り、当時の新南口の改札に向かって階段を登った時、揺れました。[がく~(落胆した顔)]
始めは電車が事故で改札したの柱に出も激突したのか? とも思ったのですが、揺れの長さがかなり長かったので、これは違うとわかりました。
そして、意図せず帰宅難民の一人になって、夜中まで都庁でいたのですが、小田急が動き出したのでそれに乗り、自宅に着いたのが夜中の3時過ぎでした...[もうやだ~(悲しい顔)]

今回はときどき出てくる趣味の本の紹介の記事ですが[あせあせ(飛び散る汗)]、災害関連のものになります。
単に都市が被災するというものではなく、その後の復興をテーマにしたものです。前回もそれに関する小説をご紹介しましたが、それは都市直下型のような災害でした。今回は、広域の災害についての漫画です。
今回もお付き合いいただければ幸いです...

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今回紹介するのは、漫画になります。
2002年から2010年にかけてビッグコミックで連載されてい たかわぐちかいじさんによる「太陽の黙示録」です。[ぴかぴか(新しい)]
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これも、いちおう、大災害後の復興に関する話になります。
ストーリーは大きくわけると前半の「群雄編」(コミック10巻)と後半の「建国編」(コミック9巻)にわかれます。

まず、最初の舞台はいつもの日常生活の中の災害発生から始まります。[がく~(落胆した顔)] その発生日時は、この漫画の連載が始まった2002年8月10日午前10時20分となってます。
このとき災害がいくつも短期間に起こります。最初に、京浜大震災(大正時代の関東大震災のようなもの)[exclamation]が起こり、そして、その日の数時間後に東海大地震が発生し、それに連動して富士山が噴火[exclamation×2]、伊豆諸島の火山もいくつも分かします。
その数日後、さらに東南海・南海大地震が同時発生し、大阪湾から京都・奈良そして琵琶湖を通り富山湾に掛けて水没し、本州が真っ二つになる[がく~(落胆した顔)]、というところまでがこの漫画での起点の災害です。
また、これらの地震のため、関東から九州にかけての太平洋沿岸の多くも水没しています。

この災害により、かなりの数の避難民が発生し、海外で受け入れてくれる国へ一時避難する日本人も700万人いるという状況になります。そして、難民キャンプでの不自由な生活から、現地の国に帰化する「棄国者」も多く発生します。
また、日本が2つに割れ、政治でも2つにわかれ、北日本(中国が支援)と南日本(アメリカが支援)と分断され、お互いが正当性を主張するという形になります。[バッド(下向き矢印)]

ここまでの状況になってから、10年ぐらい経ってから物語の本題が始まる、という感じです。
主人公は震災当時は11歳で、その後、避難する過程で台湾に一時避難した形になります。
最初は、台湾での現地と避難キャンプの大きな諍いを平和的に落ち着かせるというところから始まります。その中で、その後の物語での重要な仲間ともめぐりあいます。[グッド(上向き矢印)]
その後、他の国々の避難キャンプと連携して、避難している日本人がひとまず日本に戻るためにいろいろと行動します。
次に、もう一人の主人公と言っていい人物が登場します。野望も持ちながら、アメリカへの留学を経て、南日本での行政にくいこんでいきます。[ひらめき]

海外に避難している多くの日本人が主人公たちにより、日本に上陸できた後からが建国編です。[るんるん]
避難民が上陸した場所というのは、富士山麓の火山灰で覆われた不毛の土地(グレイエリア)になります。また、関東も南部は水没しているところが大半なので、あまり人がいないという状況の場所です。
そして、北日本のエリアになりますので、北日本との諍いになるという形になります。
北日本は強権的な政治が行われていますが、北日本内でもいろいろな勢力があり、さまざまなドラマが繰り広げられます。
そして、南日本でも、北日本との対立だけでなくアメリカとの対立も含め、いろいろなドラマが繰り広げられます。

ということで、ここで北日本と南日本だけでなく、グレイエリアという三国志状態になります。[あせあせ(飛び散る汗)]
実際、登場人物は三国志の登場人物をモチーフにした名前が多く、いろいろなエピソードでもときおりそれにほのかに近いものもあったりします。[ダッシュ(走り出すさま)]
でも、いろいろな関係とか、非常に面白い話になっています。

最終的には、3つに分かれた日本も一つにまとまります。[わーい(嬉しい顔)]
復興という意味では、一つにまとまるころにはかなり進んだ状況になります。災害発生から20年以上も擁してはいますが。
ネタバレになりますが、日本が一つになったとき、主人公ともう一人の主人公のいずれかがそのリーダーになるのではなく、二人とも新たな目的に向かって進んでいくという、なかなかカッコイイ終わり方にもなってます。

この漫画は、時期的にも元々は阪神淡路大震災から構想されたもののようですが、その連載が終わった後に、漫画では被災しなかった東北でこの一部に近い災害があったというのは、ちょっと考えさせられるところもありますね。
でも、日本がまったく機能できなくなるまで叩きのめされるような大災害が発生したとき、どうなっていってしまうのか、一つの仮説とも言えるかもしれませんね。

ちなみに、アニメ化はコミックの4巻ぐらいまではOVA化されてますが、その後はありません。
これも映像化したものでも、全体を見てみたいなあとは思ってます。でも、厳しいだろうなぁ...



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