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[SF小説] 屍者の帝国 by 伊藤計劃×円城塔 [その他::趣味::本]

ときどき出てくる趣味の本の紹介の記事です。[あせあせ(飛び散る汗)]
今回も、お付き合いいただければ幸いです...
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今回紹介する小説は、伊藤計劃×円城塔 著の「屍者の帝国」です。[ぴかぴか(新しい)]
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作者が二人で構成されているのは理由があります。
まず、伊藤計劃さんについては、以前に2つの作品について紹介しました。(ここここ)
長編小説としては、これと合わせて3つしか執筆されていません。というのも、この作品の執筆を始めてすぐぐらいに亡くなられてしまったからです。[もうやだ~(悲しい顔)]
本来は、そういう作品は未完でそのまま出版もされないものがほとんどですが、これについては伊藤計劃さんの晩年に繋がりが多かった円城塔さんが完成させたという経緯です。[ひらめき]
そして、他の2作と同様に、この作品も「Project ITOH」としてアニメ映画化や漫画化もされています。[グッド(上向き矢印)]
もっと存命されて、もっと作品が出ていたら、どれだけ面白い話が読めたのだろうと思いますよね[exclamation]

作品の舞台は、19世紀末の世界です。日本で言うと明治時代ですね。
ただ、パラレルワールド[exclamation]のような設定で、そのときに全世界を覆う通信網が網羅されているなどの状況になっています。
その中で、屍体の蘇生技術が確立され、その屍者を労働や手伝いなどに使用するという世界になっています。ただし、屍者は特に意識や自我はなく、命令された通りに動くロボットのようなものになっています。
この中で、医学生だった主人公がイギリスの政府の諜報機関の一員となり、諜報活動を行うところから始まります。
その中で、人間のような行動をする屍者の調査の中から、最初の屍者であり、屍体ではなく生体から屍者になった「ザ・ワン」を探すことになり、いろいろな国へ向かい、危険な状況にも会うという展開になります。


舞台としては、ヨーロッパや中東だけでなく、日本も登場します。[わーい(嬉しい顔)]
19世紀末の世界をベースに、一部の技術などで現代に近いものがあったりと、なかなか面白い設定ですね。
あと、人間が死亡すると21グラム軽くなり、それが生者との違いという設定もあったりします。そして、死体を屍者とするために霊素を使って脳に作用させるというところは現実には無いところですね。[ひらめき]

全体的に、ちょっとおどろおどろしい感じの印象を受けるかもしれませんが、それ以上に話に引き込まれる感じですね。[グッド(上向き矢印)]
生と死の違いは何かということも考えさせられるような感じです。
これもかなり良かったですよ。[るんるん]



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